白塗りメイクは誰が始めたのか?|最初期に白塗りメイクをしたアーティスト達
顔に白塗りメイクをして、ステージで演奏するアーティストがいます。
日本での有名なところではデーモン小暮閣下と彼が率いる聖飢魔Ⅱですが、ヴィジュアル系のバンドでもそういったアーティストを見る事がありますよね。
でも、一体どのアーティストが顔を白塗りにして演奏する事を始めたのでしょうか?
はっきりと誰が始めたかはわかりませんが、白塗りアーティストは1960年代に次々に現れます。
今回はそういった最初期の白塗りアーティスト達をご紹介します。
Screaming Lord Sutch(スクリーミング・ロード・サッチ)
1961年にデビューしたイギリスのアーティストです。
Load(伯爵)を名乗ってますが、当然ステージネームなので伯爵ではありません。
しかし、日本では貴族の息子が道楽でやっている音楽と紹介された事もあります。
彼は、顔を白く塗りシルクハットを被り、ステッキやマントつけ、さらにステージ登場時は棺桶から現れるという演出まで行う、今でいうゴシックホラー的な事を、既に50年以上昔からやっていました。
パフォーマンスとしては面白いですよね!
曲調は普通のロックンロールで、音楽的な評価は決して高く無いのですが、彼の衣装やステージの演出は、後年のアーティスト達に大きな影響を残しました。
動画は1972年ロンドンでの演奏シーンを編集したものです。この動画では、彼の演出の一部を垣間見る事が出来ます。
Arthur Brown(アーサー・ブラウン)
1968年にデビューしたアーティストです。
ファーストアルバム「The Crazy World Of Arthur Brown」のシングルカット曲「Fire」が、イギリスで最高1位、アメリカでも最高2位の大ヒットするという、当時最も勢いがあるアーティストでした。
彼は、パフォーマンスする時は白塗りだけでなく頭の上に火を燃やして呪術的な動きを行うなど、すごい怪しい雰囲気を醸し出しました。
そういったパフォーマンスをテレビ番組でも行い、その映像がインターネットに残っています。
紹介する「Fire」の動画は、実際には演奏をしないで音源に合わせて動く、所謂当てぶりでのパフォーマンスです。
有名どころでは日本の「ゴールデンボンバー」が所謂当てぶりのパフォーマンスを得意としていますね。
このパフォーマンスでは、後にThe Rolling Stinesへ加入するロン・ウッドがベースを弾いているのも見どころのひとつです。
Alice Cooper(アリス・クーパー)
1969年デビューのアメリカのアーティスト。
ロックと演劇的な演出は、先に上げたロード・サッチよりさらに押し進め、そのパフォーマンスは、当時「ショック・ロック」と言われるようになったそうです。
そのホラー的な容貌や演出のためか、彼は映画「エルム街の悪魔」シリーズに複数出演しています。
そんな彼の最初期のヒット曲は、1972年の「School's Out」で最高位全米2位となります。動画はその「School's Out」の1990年のパフォーマンス映像です。
MC5
1963年にアメリカミシガン州で結成されたロックバンドです。
彼らのパワーあふれる演奏は今なお多くのフォロワーを生み出しています。
彼らは、白塗りだけでなく金色にも塗ったり、きらきらした衣装着たり、当時にしてはひどく奇抜な恰好でステージで演奏していました。
派手な格好の先駆者といったところでしょうか…
その為か、その後デビューした、彼らより過激な衣装の若いバンドをひどく嫌っています。
彼らの曲で最も有名な曲は、数多くのアーティストにカバーされてる「Kick Out The Jams」です。
この映像ではあまり奇抜な恰好には見えませんが、ヴォーカルのアフロはカツラだという話があります。
KISS
1973年に結成されたロックバンド。
彼ら以前にも、今まで紹介した通り白塗りや化粧をしたバンドやアーティストはいましたが、メンバー全員が固定のデザインのメイクと衣装にしたのは、間違いなく彼らが最初でしょう。
余談ですが、海外のアーティストが日本の音楽雑誌で聖飢魔Ⅱを見つけると、「こいつら何者だ」と質問するそうです。
その時「Japanese Kiss」と答えると、なんとなくわかった気になってくれたそうです笑
彼らはたくさんのヒット曲がありますが、その中でも彼らのメイク、衣装が存分に見る事が出来る「I Was Made For Lovin' You」の動画をご紹介します。
まとめ
何故彼らがそんな事をしようと思ったのか、動機はまちまちだとは思いますが、共通しているところは演劇的な演出を行っているところで、彼らはアーティストというよりエンターテイナーに近いんだと感じます。
今でも日本や海外でこういったバンドやアーティストがいます。
曲自体はザ・ロックという感じで派手ですので苦手な方もいるかもしれませんが、演出としては他にはない面白さがあります。
機会があれば是非一度見てみることをオススメします。