38歳でグラミー賞を取り、81歳で再び大ヒットを飛ばしたBent Fabricとは？

38歳でグラミー賞を取りその後81歳で再び大ヒットと飛ばしたベBent Fabricとは？

2007年頃のSoftBankのCMで使われた「JukeBox」という曲があります。

これはBent Fabric（ベント・ファブリック）というデンマーク出身のアーティストの曲なんですが、この時ベント・ファブリックはなんと81歳という年齢でした。

彼は若い頃から音楽活動をしており1962年に「Alley Cat」という曲をヒットさせて、グラミー賞を受賞しています。それからなんと40年以上経過して、また新曲がヒットしたわけです。

彼は一体何者なのでしょうか？

Bent Fabric (ベント・ファブリック) とは？

ベント・ファブリックの本名はBent Fabricius-Bjerreというそうなんですが、アメリカでは発音しにくいという事で、Bent Fabricと名乗っています。

彼は1924年に生まれ、第二次大戦後ミュージシャンとして働きだします。

1961年に「Omkring et flygel」という曲を発表。これのタイトルを「Alley Cat」と変え再リリースしたところ世界中で大ヒット、100万枚以上売り上げグラミー賞を受賞しました。

またその間レコードレーベルを設立したり、その後は映画のサントラやバレエやオペラの音楽を担当したりしていました。 

彼が80歳になる時、その記念にかつての大ヒット曲「Alley Cat」をアレンジしてリリースしようとする話が持ち上がります。

しかしどうにもうまくいかず「どうせなら新曲を作ろう」という話になり、完成されたのが先に上げた「JukeBox」という曲です。その曲と「Alley Cat」を中心にベント・ファブリックの曲をご紹介します。

JukeBox

43年ぶりに「Bent Fabric」がビルボードにチャートインした楽曲です。

彼の軽やかなピアノに、クラブ系のリズムが妙にマッチします。

クラブ系で使われるサンプリングの多くは古い音源と考えると不思議なことではありませんが、あの時代の音を今奏でる人と音を作っていると考えるとなかなか熱いものがあります。

この曲が入ったアルバム「JukeBox」日本でもヒットしオリコンでTOP20入りしたのですが、洋楽、邦楽含めて81歳でのチャートインは初めてだったそうです。

このビデオでピアノを弾いている人がベント・ファブリック本人です。

Alley Cat

 「Alley Cat」はBent Fabric 1962年の大ヒット曲です。

先に述べた通り、この曲で彼はグラミー賞を受賞しています。

「JukeBox」は歌物ですが、こちらはインストメンタルとなっています。

但し後年歌詞がつけられたようで、彼のジャズコンボでのライブでヴォーカルの方が歌っています。

Chicken Feed

1963年発表の所謂「猫踏んじゃった」です。

この曲は作者不詳ですが全世界で知られています。

イントロの部分は酔っ払いが弾いているような感じでわざとふざけた弾き方をしています。

Pink Elephant

こちらの曲ではピアノだけでなくオルガンもプレイしているようです。

タイトルの「Pink Elephant」とは、麻薬なアルコールによる幻覚症状を指します。

当時のジャズプレイヤーはアル中や薬物中毒者だらけだったので、こんなタイトルを付けたのかも知れません。

あるいはディズニー映画「ダンボ」のダンボが酔っ払ったシーンにインスパイアされた可能性もあります。

The Happy Puppy

「Chicken Feed」と同じ1963年の曲ですが、こちらはもっとモダンな音作りとなっています。

おそらくピアノ、ベース、ドラムに加えエレキギターがふたつ入っている事が大きいと思います。「Alley Cat」に比べてベント・ファブリックのプレイがより都会的になっている事がわかります。

結構おしゃれです。

Everytime

最後に、アルバム「JukeBox」収録のPOPな楽曲を紹介します。

「Everytime」です。

全体的なアレンジや歌の影響のせいか、いい意味で普通の気持ちいい曲に仕上がっています。でも中間部のピアノは60年代から活動しているジャズピアニシストのすばらしさを感じさせます。

まとめ

彼はまだ存命で、ネットには2015年10月に行われた彼のライブの映像も見つける事が出来ます（元気にプレイしているだけでなく、8分くらいMCで話しています）。

御年93歳ですがまだまだ元気に活動してほしいと思います。